看護協会を退会するデメリットまとめ|代用策をおさえて自分に合った選択肢を!

看護師として働く上で「看護協会に入ってた方がいいの?」「退会するとどんな影響があるの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。年会費を払う価値があるのか、退会するとどんなデメリットがあるのか気になりますよね。

この記事では、看護協会を退会する際に考えられるデメリットと、それに対する代替手段や他の選択肢について詳しく解説します。退会を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

看護協会退会のデメリット(失う7つのメリット)

看護協会を退会すると、会員だけが受けられる様々なメリットを失います。主なデメリットは以下の7つです。

  • 研修・学会への会員割引が受けられなくなる
  • 看護職賠償責任保険に加入できなくなる
  • 機関誌や最新情報が届かなくなる
  • 会員限定サービス「キャリナース」が使えなくなる
  • 看護専門図書館の利用が制限される
  • 特定の資格取得の機会を逃す
  • 看護師同士のネットワークが狭まる

まずはそれぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

研修・学会への会員割引が受けられなくなる

看護協会の会員は、日本看護協会や都道府県看護協会が主催する研修や学会に会員価格で参加できます。退会すると非会員価格となり、費用が増加する可能性があります。

代用策や他の選択肢

– 病院内の研修を活用する
– 他の医療機関や企業主催の研修に参加する
– オンライン学習サービスを利用する

看護職賠償責任保険に加入できなくなる

看護協会の会員は看護職賠償責任保険に加入できます。

この保険は医療事故だけでなく、患者さんの物品を壊した場合の対物補償や、職場でのセクハラ・パワハラに関する法的相談、弁護士費用の補償も含まれています。

この保険は会員限定のため、退会すると加入資格を失います。

代用策や他の選択肢

– 民間の医療従事者向け保険に加入する(例:Willnext)
– 勤務先の団体保険や労働組合の保険を利用する

機関誌や最新情報が届かなくなる

各都道府県協会が独自の機関紙を発行しており、加入していると機関紙から地域の医療情報や研修案内など、地元に密着した情報を得られます。

代用策や他の選択肢

– インターネットや専門サイトで情報を収集する
– 病院内の情報共有システムを活用する

会員限定サービス「キャリナース」が使えなくなる

「キャリナース」は会員専用のWEBサービスで、会員情報の確認・変更、研修受講履歴の閲覧、日本看護学会論文集の閲覧、文献検索などができます。

退会するとこれらのサービスが利用できなくなります。

看護専門図書館の利用が制限される

多くの都道府県の看護協会には看護専門図書館や図書室があります。会員は、これらの資料を会員優待で利用できるため、勉強や研究に役立ちます。

しかし、退会すると利用制限が発生し、貸出可能な冊数が減ったりや期間が短縮されたりする場合があります。

【利用制限の具体例】

✅ 図書の貸し出し制限(大阪府看護協会の場合

  • 会員: 3冊まで、貸出期間14日間
  • 非会員: 1冊まで、貸出期間7日間

図書室の書籍・映像資料の貸出しサービスを会員待遇で利用できます。

(例)図書の場合・・・貸出冊数 会員3冊、非会員1冊 貸出期間 会員14日間、非会員7日間

大阪府看護協会
代用策や他の選択肢

– 大学図書館や病院の資料室を活用する
– オンライン文献検索サービスを利用する

特定の資格取得の機会を逃す

日本看護協会は認定看護師専門看護師認定看護管理者の資格認定と更新を行っています。これらの資格取得を目指す看護師にとっては、看護協会への入会は必須条件です。

また、災害支援ナースとして登録するためには、看護協会の災害支援ナース養成研修を受講する必要があります。退会すると、こうしたキャリアアップの機会を逃してしまいます。

看護師の国際大会への参加など、グローバルな場での活躍を目指す場合、看護協会会員であることが有利に働く場合があります。

看護師同士のネットワークが狭まる

看護協会は全国的な組織であり、多くの看護師が所属しています。会員同士のつながりは、情報交換や相談、就職・転職において大きな強みとなります。

退会すると、このネットワークから外れてしまうため、研修会などでの他の看護師との交流を通じて得られる情報や人脈が失われます。

代用策や他の選択肢

– SNSや看護師向けコミュニティを活用する
– 地域の看護師会や勉強会に参加する

ここまで、看護師協会を退会するデメリットとそれぞれの代用策を表にまとめると以下のようになります。

デメリット代用策や他の選択肢
1. 研修・学会への会員割引が受けられなくなる– 病院内の研修を活用する
– 他の医療機関や企業主催の研修に参加する
– オンライン学習サービスを利用する
2. 看護職賠償責任保険に加入できなくなる– 民間の医療従事者向け保険に加入する(例:Willnext)
– 勤務先の団体保険や労働組合の保険を利用する
3. 機関誌や最新情報が届かなくなる– インターネットや専門サイトで情報を収集する
– 病院内の情報共有システムを活用する
4. 会員限定サービス「キャリナース」が使えなくなる– 代替なし(会員限定サービスのため)
5. 看護専門図書館の利用が制限される– 大学図書館や病院の資料室を活用する
– オンライン文献検索サービスを利用する
6. 特定の資格取得の機会を逃す– 代替なし(資格取得には看護協会の会員であることが必須)
7. 看護師同士のネットワークが狭まる– SNSや看護師向けコミュニティに参加する
– 地域の看護師会や勉強会に参加する
看護師協会を退会するデメリットとそれぞれの代用策

看護協会退会による実務上のデメリット

看護協会を退会すると日常業務や将来のキャリアに影響する可能性があります。主なデメリットは以下の通りです。

  • 職場でのトラブル解決支援が受けられなくなる
  • 転職時の情報が制限される
  • 職場での評価に影響する可能性がある
  • 最新の医療情報が得られにくくなる

これらの実務上のデメリットについて詳しく解説します。

職場でのトラブル解決支援が受けられなくなる

看護協会は会員限定の相談窓口を設けており、医療安全や看護実践に関する専門相談、ハラスメント相談ホットラインなどを利用できます。退会するとこれらのサポートを受けられなくなります。

職場での人間関係のトラブルやパワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどの問題が発生した場合、相談先が減ってしまいます。

医療事故や患者さんとのトラブルが発生した際も、看護職の目線で適切なアドバイスをもらえる機会が失われます。

代用策や他の選択肢

– 労働組合や外部の相談窓口を利用する
– 民間の法律相談サービスを活用する

転職時の情報が制限される

看護協会は各都道府県にナースセンターを設置し、求人情報の提供や就職相談を行っています。退会すると、これらのサービスを十分に活用できなくなる可能性があります。

代用策や他の選択肢

– 看護師専門の転職サイトを活用する
– キャリアアドバイザーに相談する

職場での評価に影響する可能性がある

一部の医療機関では、看護協会への加入状況や活動実績が評価に影響する場合があります。特に、看護部長や上司が看護協会の役員を務めているような職場では、退会が不利に働く可能性があります。

昇進や待遇に直接影響するわけではありませんが、「組織に貢献する意識が低い」と見られる可能性も否定できません。特に、管理職を目指す看護師にとっては、看護協会での活動が評価項目になることもあります。

病院によっては看護協会への加入が実質的に義務付けられている場合もあり、退会することでの人事評価への影響を考慮する必要があります。

代用策や他の選択肢

– 職場の評価基準を確認し、他の活動で補う
– 上司に退会理由を説明し、理解を得る

最新の医療情報が得られにくくなる

看護協会は、医療制度や看護実践に関する最新情報を会員に提供しています。

退会した場合、自分で情報を集める努力をしないと、知識が古くなってしまう可能性があります。

それにより、患者さんに提供する看護の質にも影響が出るかもしれません。

代用策や他の選択肢

– オンライン学習サービスや専門サイトを活用する
– 病院内の情報共有システムを活用する

実務上のデメリットとその対策についても表にまとめると以下のようになります。

デメリット対策や他の選択肢
1. 職場でのトラブル解決支援が受けられなくなる– 労働組合や外部の相談窓口を利用する
– 民間の法律相談サービスを活用する
2. 転職時の情報が制限される– 看護師専門の転職サイトを活用する
– キャリアアドバイザーに相談する
3. 職場での評価に影響する可能性がある– 職場の評価基準を確認し、他の活動で補う
– 上司に退会理由を説明し、理解を得る
4. 最新の医療情報が得られにくくなる– オンライン学習サービスや専門サイトを活用する
– 病院内の情報共有システムを活用する

看護協会退会前に考えておくべきこと

看護協会の退会を検討する際は、いくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。退会後に後悔しないために、以下の点を慎重に検討しましょう。

  • 退会手続きの期限と方法を確認する
  • 賠償責任保険の代替手段を用意する
  • 職場での影響を考慮する
  • 将来のキャリアプランを見据える
  • 年会費とサービスの価値を比較する

これらのポイントについて詳しく見ていきましょう。

退会手続きの期限と方法を確認する

看護協会の退会手続きには期限があります。一般的に、退会したい年度の前年度末までに手続きを完了する必要があります。支払い方法や所属する都道府県によって期限が早まる場合もあるため、必ず確認しましょう。

特に口座振替で会費を支払っている場合は、引き落とし前に手続きを完了しないと、次年度の会費が引き落とされてしまいます。各都道府県看護協会のホームページで退会手続きの期限を確認することが重要です。

退会方法も各都道府県によって異なります。退会届の提出(郵送、オンラインなど)が一般的ですが、会員証の返却や退会理由の記載が必要な場合もあります。余裕をもって手続きを進めましょう。

賠償責任保険の代替手段を用意する

看護職賠償責任保険は退会と同時に無効になります。医療事故のリスクに備えるため、退会前に代替の保険に加入しておくことが重要です。

代替手段としては、民間の医療従事者向け保険や勤務先の団体保険、労働組合の保険制度などがあります。ただし、看護協会の保険と比べると保険料が高くなる可能性があるため、費用対効果を比較検討することをおすすめします。

医療事故は予期せぬタイミングで発生する可能性があります。「保険に入っていなかった」という後悔をしないよう、保険の切れ目が生じないように注意しましょう。

職場での影響を考慮する

退会が職場に知られる可能性があることを考慮しましょう。給与からの会費天引きを行っている職場では、退会が上司や同僚に知られることになります。

上司が看護協会の役員を務めている場合は、退会によって職場での人間関係に影響が出る可能性もあります。また、一部の病院では看護協会への加入が実質的に義務付けられていることもあるため、事前に職場の状況を確認しておくことが重要です。

退会を検討する理由を明確にし、必要であれば上司に相談するなど、職場での影響を最小限に抑える工夫も考えましょう。

将来のキャリアプランを見据える

現在は看護協会のサービスをあまり利用していなくても、将来的に利用する可能性があることを考慮しましょう。特に、認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指す場合は、看護協会の会員であることが条件となります。

キャリアアップの機会を逃さないためにも、短期的な視点だけでなく、長期的なキャリアプランを考慮して退会を検討することが大切です。

年会費とサービスの価値を比較する

看護協会の年会費は都道府県によって異なります。年会費に見合うメリットがあるかどうかを客観的に評価してみましょう。

研修や資格取得、相談窓口など、看護協会が提供するサービスをどれだけ活用しているかを振り返ってみてください。これらのサービスを自分で調達する場合のコストと比較すると、年会費の価値が見えてきます。

活用度が低い場合は、今後どのように活用していくかを考えることも一つの選択肢です。退会前に、一度看護協会のサービスを積極的に利用してみるのも良いでしょう。

看護協会退会後の代替手段について

看護協会を退会した後も、看護師としての成長や安全を確保するための代替手段があります。以下の方法で、看護協会のメリットを補うことができます。

  • 民間の医療従事者向け保険に加入する
  • 病院内外の研修を活用する
  • オンライン学習サービスを利用する
  • 看護師専門の転職サイトを活用する
  • 看護師コミュニティに参加する

これらの代替手段について詳しく解説します。

民間の医療従事者向け保険に加入する

看護協会の看護職賠償責任保険の代わりに、Willnextなど民間の医療従事者向け保険に加入することで看護協会の会費よりも安くで保険をかけることができる場合があります

保険会社によって保障内容や保険料は異なりますが、医療事故や対物賠償などをカバーする保険が提供されていますので検討されてみてはいかがでしょうか。

また、勤務先の団体保険や労働組合の保険制度を利用することも選択肢の一つです。病院によっては、病院全体で医療事故に対する保険に加入している場合もあります。勤務先の保険制度について確認してみましょう。

病院内外の研修を活用する

看護協会の研修に参加できなくなったとしても、病院内の研修や他の医療機関が主催する研修に参加することができます。多くの病院では、院内研修を定期的に開催しています。

また、医療機器メーカーや製薬会社が主催する勉強会や、大学や専門機関が開催する講習会なども活用できます。看護協会以外の研修は、非会員でも参加できるものが多くあります。

インターネットで「看護師 研修 オープン」などのキーワードで検索すると、様々な研修情報を見つけることができます。積極的に情報収集することで、学習機会を確保しましょう。

オンライン学習サービスを利用する

近年、看護師向けのオンライン学習サービスが充実しています。eラーニングやウェビナー、オンデマンド講座など、時間や場所を選ばず学習できるサービスが増えています。

オンライン学習の利点は、自分のペースで学習できることや、通勤時間や休憩時間を活用して学べることです。また、繰り返し視聴できるため、理解が深まります。

有料のサービスもありますが、年会費を払わなくなった分を学習費用に充てることで、より自分に合った学習ができるようになるでしょう。

看護師専門の転職サイトを活用する

看護協会のナースセンターの求人情報が見られなくなったとしても、看護師専門の転職サイトを利用することで、多くの求人情報を入手できます。転職サイトでは、条件に合った求人を検索したり、無料でキャリアアドバイザーに相談したりすることができます。

転職サイトのキャリアアドバイザーは、給与や職場環境、勤務条件など、詳細な情報を提供してくれます。また、応募書類の作成や面接対策もサポートしてくれるため、転職活動がスムーズに進みます。

看護師の需要は高く、多くの求人があります。転職サイトを活用することで、自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。

看護師コミュニティに参加する

看護協会のネットワークが使えなくなっても、SNSや看護師向けコミュニティサイトを活用することで、同じ悩みや目標を持つ看護師と意見交換することができます。

特におすすめなのが、看護 roo!のコミュニティ機能です。コラムや体験談が豊富で、コメント欄でも共感や交流が活発。匿名性が高く、気軽に投稿可能です。

転職時の注意点: 看護協会の退会について知っておくべきこと

看護協会の退会を検討する際は、転職時の注意点も考慮しておくことが重要です。

転職時の注意点

転職を機に看護協会を退会する場合は、転職先の病院が看護協会への加入を必須としていないか確認することが重要です。一部の病院では、看護協会への加入が実質的に義務付けられている場合があります。

転職先で看護協会への加入が必須の場合、退会しても再度入会する必要が生じ、結果として余計な費用がかかってしまいます。転職先の条件を事前に確認しておくことで、無駄な手続きを避けることができます。

看護師専門の転職サイトを利用する場合は、担当のキャリアアドバイザーに看護協会の加入状況について確認してもらうことも可能です。転職先の情報を詳しく調べることで、スムーズな転職を実現しましょう。

まとめ

以上をまとめます。

看護協会退会の主なデメリット

  • 研修・学会: 会員割引がなくなる。
  • 保険: 看護職賠償責任保険に加入できなくなる。
  • 情報: 機関誌や最新情報が届かなくなる。
  • サービス: 会員限定サービス「キャリナース」が利用できなくなる。
  • 図書館: 看護専門図書館の利用が制限される。
  • 資格: 特定の資格取得の機会を逃す。
  • ネットワーク: 看護師同士のネットワークが狭まる。

退会による実務上の主なデメリット

  • トラブル: 職場でのトラブル解決支援が受けられなくなる。
  • 転職: 転職時の情報が制限される。
  • 評価: 職場での評価に影響する可能性がある。
  • 情報: 最新の医療情報が得られにくくなる。

退会前に考慮すべき主な点

  • 手続き: 退会手続きの期限と方法の確認。
  • 保険: 賠償責任保険の代替手段の用意。
  • 職場: 職場での影響の考慮。
  • 将来: 将来のキャリアプランの見据え。
  • 費用: 年会費とサービスの価値の比較。

退会後の主な代替手段

  • 保険: 民間の医療従事者向け保険や団体保険
  • 研修: 病院内外の研修
  • 学習: オンライン学習サービス
  • 転職: 看護師専門の転職サイト
  • 交流: SNSや看護roo!などの看護師コミュニティサイト

転職時の主な注意点

  • 転職先の看護協会加入の必須確認。

上記が、看護協会退会に関する主要なポイントをまとめたものです。

最終的に看護協会に加入するかどうかは、個人の状況や価値観によって異なります。この記事を参考に、自分にとって最適な選択をしてください。